saito
~PR会社を選ぶ際のポイント~「小さな会社のための広報術」5
「自社の取り組みをたくさんの人に知ってもらいたい…」 「お金をかけずにPRをしたい」
はじめて広報の担当になった方や、ちいさな会社の経営者などは、広報に関してさまざまなお悩みがあるかと思います。
本コラムでは、広報について、必要性や魅力、広報がウマくいく会社とそうでない会社の違い、旬で有効なキーワードなど、すぐに役立つ実用的な情報を分かりやすく伝えることなどを紹介させていただきます。
今回は、PR会社を選ぶ際の注意点です。
自社の広報戦略と合ったPR会社を見極めましょう!
今回のポイントは下記の3つです。
1.PR会社にはそれぞれ得意分野がある
2.広告ありきの提案をする会社もあるので要注意
3.広報の本質を理解し、提案してくれるPR会社を見つけよう
早速、見てみましょう。
PR会社の得意・不得意とは?
広報業務を自社で展開しようとしたときに、広報に関して詳しい社員がいない場合は、いわゆるPR会社を使うことを考えたことがあるかもしれません。
ひとくちにPR会社といっても、広報コンサルティング会社、広報代行会社等、さまざまな呼び方があり、業務内容もまちまちですが、ここではPR会社と総称してみます。
さて、業務内容がまちまち、といういのは、広報業務がそれだけ多岐に渡っていることを示しています。
大きく分けると、得意な「業界」を持って専門特化している場合と、「メディア」の得意分野を持っている場合とがあります。
「業界」では、IT業界、食品関連、農業関連、素材関連等、新聞のページ構成にあるような企業分類のイメージです。
「メディア」では、新聞・雑誌・業界紙などの紙媒体系、ウェブやSNSなどのインターネットメディア系、テレビ・ラジオ系に大きく分けられますが、さらに、ウェブメディア、SNSでBtoC系、女性誌の雑誌、ウェブメディア、SNS系、のようにそれぞれ特化している会社も出てきています。
皆さんの企業の商品やサービスが、どのメディアに掲載されると効果がありそうか、ということを社内で検討してみてください。そのうえで、PR会社の専門性を生かせるようセレクトするとよいでしょう。
たとえば、IT関連のサービスの場合は、紙メディアよりも、webメディアに掲載されたほうが、伝えたい相手に伝わりやすといえます。ワンクリックでリンクをたどってきてくれる可能性が高いからです。しかし、企業としての信頼感につながるケースが多い紙媒体は、できれば基本的には加えておきましょう。
そのPR会社の説明、ちゃんと理解できますか?
広報と広告の違いは「お金」「時間」「信頼度」の3つです。
広告は、お金がかかります。そして、即効性があります。
しかしあくまでも自社で好きなように内容を発信するものですので、情報の信頼度というと、記事のほうが高いといえます。
広報は、広告費用などはかかりませんが、記事にしていただくための情報発信をし取材をとりつける時間がかかります。記者という第三者の目線で語られるため、信頼度は、広告のそれとは違ってきます。
「広報をしたほうがよいといわれるので考えてみたくなりました」というF社の社長は、これまでいくつかの代表的な大手PR会社に相談をしたそうです。
しかし、「どういうことが広報なのかわからなくなってしまった」そうです。
広報と広告を一緒に考えてしまうと、混乱してしまいます。
PR会社としては、広報とはどういうことをするのかをまず的確に説明する必要があります。
そして、的確に回答してあげなければならないと思います。
逆に言うと、PR会社は、その企業がどのような広報的知識をお持ちであるかによって、説明の表現方法も変えないと誤解を生んでしまいます。
F社は、これまで広報活動をしてこなかったそうですが、サービス内容が時機を得ていて特徴があったため、雑誌や新聞、ラジオなど多くのメディアですでに取り上げられているという実績がありました。
しかし、場当たり的な取り上げられ方で、ストーリーや戦略が見えてきませんから、新規サービスの展開と世に出ている情報内容とに乖離もうまれてしまうことが想定されました。
どんなメディアにも、露出していることは貴重なことです。
しかし意図しない露出は、思わぬ注目を浴びることになり企業にとってラッキーを生む場合もあれば、情報自体が分断されていて、出てはいるのに効果がない、ということにもなりかねません。
このような場合、広報計画をたてて計画的に露出していけば効果は飛躍的に高まります。
よいPR会社とは、このような広報戦略、計画の提案をして実践ができる会社であるといえます。
ー 次回へ続くー