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  • 執筆者の写真saito

~広報担当者が情報発信時に注意したい言いまわし~「小さな会社のための広報術」4


「自社の取り組みをたくさんの人に知ってもらいたい…」 「お金をかけずにPRをしたい」


はじめて広報の担当になった方や、ちいさな会社の経営者などは、広報に関してさまざまなお悩みがあるかと思います。

本コラムでは、広報について、必要性や魅力、広報がウマくいく会社とそうでない会社の違い、旬で有効なキーワードなど、すぐに役立つ実用的な情報を分かりやすく伝えることなどを紹介させていただきます。

 

今回は、広報担当者が情報発信する際の注意点です。

言い回しなど、細かい部分になりますが、とても重要です。

自社の業界について全く知らない記者さんや外部の方に説明する際、ポイントは3つです。


1.業界用語かどうかの見極めをする

2.カタカナ語で説明しない

3.自社での造語は必ず説明する

早速、見てみましょう。


意識されない業界用語

会社の中にいると、口にする表現や考え方のプロセスなど、あらゆる面で会社の常識や言い方に慣れてしまいます。


よく広報セミナーで「広報的視点を持て」と言われることがあると思います。

広報的視点の中には、一般常識的な視点あるいは一般的なモノの言い方が含まれます。


一般的に考えて、分かりやすいか、おかしな表現ではないか、ということを基本に普段会社説明で使用している言葉や表現方法を見渡してみると、意外に分かりにくいことが多いことに気づくと思います。


社内で使っているカタカナ語は、一見専門的で高度なイメージがありますが、一般には意味があいまいだったりして相手にうまく伝わらないことが多いのです。


たとえば「ソリューション」という言葉はどこでも頻繁に使っていますが、

日頃の新聞などのメディアチェックをしていると固有名詞以外で、文章中で「ソリューション」という言葉はを使って説明しているケースはほとんど見ることがないと思います。「マーケティング」という言葉も似たところがあります。それはなぜでしょうか。


そういう視点で見ていくと、自分たちがあたりまえのように疑問にも思わずに使用している言葉は、メディア上では違った使われ方をしていたり、もしくは使われていなかったりする場合があります。


業界用語の場合は、少し違ってきます。


業界紙(誌)への情報発信であれば、技術的なことや業界用語を使用することは悪いことではありません。

読者が理解できると想定される範囲であれば、記事中に使われます。


しかし、一般紙(誌)に記事として掲載してほしいと考えた場合は、業界用語を一般用語で置き換えることが必要になります。


日頃から、自社の業務内容を一般用語で説明することを心がけてみる必要があります。


【実例で解説!】会社案内の見直しをしたC社

住宅関連企業C社は、当時のマーケティングでは必須の発想となっていた「ロハス」の考え方をいち早くサービスに取り入れたサービスを展開してきました。


その当時「ロハス」を基調とした事業方針の決定は、会社としての大きな方向転換でもあったのですが、それをきっかけに、顧客単価がぐんとあがり、業界の先駆け的な地位を確立しつつありました。


住宅は大きな買い物であり、事業は「夢を売る仕事」であるということから、C社は実際の施工事例であり、高級感溢れるインテリアのイメージを採用した事例紹介用のパンフレットを作成しました。


一方で、会社理念をしっかり訴えるため、会社の取り組みやこだわりを説明する会社案内を持っていました。


しかしその会社案内は、情報量は多い割に、前述した会社の良さがよく伝わってきません。

原因は、情報の配置方法、見出しの打ち方などがとてもわかりにくかったことです。


会社案内に盛り込む、基本的な内容は、以下の項目があります。


・会社概要

・会社としてのあり方を説明する言葉(企業理念等)

・社長の思い(社長のあいさつ)

・事業内容(サービス内容)

・強み(他社との違い)の説明


もちろん会社の方針によってまちまちで正解があるわけれではありませんが、伝えたいことを整理しているのが一般的です。

情報量が多くなる場合は、具体的なサービスや商品の説明は別紙、さらに技術的なデータは資料集にまとめたほうがよいときもありあす。


そして、C社は業界ではある程度の認知されたので、次に一般紙(誌)に露出していきたいと考えていました。


ところが一般紙から受けたインタビュー時に社長が説明した会社説明には、社内の「造語」が出てきました。


「造語」は一般的な用語でも専門用語でもないですので、記者には、それを説明するのが当然です。

しかし、社内で頻繁に使われていたり、パンフレットにまで使用されていたりすると、その造語の特異性にだれも気をとめなくなってしまいます。


それが「造語」であるかどうか、もはや分からなくなっている場合もあるでしょう。


また広報担当者の場合は、社長や社内に確認するのが憚られるようなこともあるでしょう。


そのときは、市販されている現代用語集のような資料を通じて、一般的な言葉かどうかを調べてみましょう。

そのような作業を繰り返し、社内用語を徐々に整理していくことも広報の業務のひとつです。


ー 次回へ続くー


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